もうただの「小さいiPad」ではない 新生iPad miniは小型デジタルノートの決定版
前回のエントリの続きです。
Pros and Cons
さて、勢い余って購入してしまったiPad miniですが、9/24(発売日)の夜に入手して1週間以上。
これは期待以上の出来でした。mini5までとmini6で、位置付けがガラッと変わってしまうくらいの大進化です。
まず簡単にPros and Cons.
- Pros
- Cons
- Touch ID面倒くさい。Face IDにしてほしい。カバーつけてないとどっちがTouch ID側かわからないのでボディをくるくる回さないといけない
数あるレビュー記事を読み漁り、数あるレビュー動画を見漁れば、まあこの辺は皆想像通りだと思うので、細かい話は割愛します。
あーでもConsだけは言いたい。新しいTouch IDの位置は、非常に面倒くさい。次期モデルではFace IDは必須にしてほしいレベル。
これは「iPad ProのFace IDはカメラの位置がわかりづらいじゃん」という声もあるかと思いますが、指をずらしたりすれば大丈夫。あとはテーブルの上でおいて使う、ソファ等にどっしり座って使うことが多いiPad Proだからこそ、イラッとする機会が少ないのかも。
でもiPad miniの場合は確実に電源ボタンに指を当てないといけません。なので、パッと手に取った時に「電源ボタンを探す」ためにくるくる本体を回すのは面倒くさいです。Proのように、ボディを傾けるだけでなんとかなったりはしません。
あとは認証後のホーム画面が出るまでの0.n秒がじれったい。つい電源ボタンを押してしまい、またスリープ状態になってしまうことも頻発。今まではホームボタンにTouch IDがあったので、ポチッと押してしまっても問題なかったのですが、今回は電源ボタンなので押してしまってはいけません。
この辺は改善してほしい。
これまでのiPad miniと決定的に違う点
iPad miniの「片手でも握れる(頑張れば)」「ボディバッグにも入る」「約300g軽い」というコンパクトさはこれまで通り。これだけだと持ち歩くのに便利です〜で終わります。
「小型デジタルノート」としての使い勝手がとにかく便利になりました。これはApple Pencil2サポートとベゼルレス化、iOS15で追加されたクイックメモ、miniならではのサイズ感の要素が組み合わさった結果です。モレスキン(通常版)のサイズ感が近いのかな。手の中にしっくり収まるこの感じがとにかく良い。
iPad mini 5ではだめだったのかというと、だめだった。Apple Pencil(初代)では、ペンシルの居場所がありませんし、気づいたら充電が切れてて使いたい時に使えない率が高く、デジタルノート・デジタルメモ帳のような使い方をしたくてもできませんでした。これがApple Pencil 2なら常にボディにくっつけておけるし、くっつけてれば勝手に満充電されてるので、バッテリ切れでペンが使えないということはありません。描き心地、握り心地、ダブルタップで消しゴム切り替えなどももちろん便利ですけどね。
あとはベゼルレス化によって、没入感が上がったことも、モレスキン感が高まった要因だと思いますね。書く・描くということに集中できます。黒ベゼルであることも意味があるかも(今までのものは白だった)。
iOS15のクイックメモ。これもグッドタイミングでしたね、右下隅からぴゅっとスワイプさせれば簡易メモがすぐに取れる。これが素晴らしい。iPhoneやMacなどともiCloud同期で連携されるし、手描き文字も検索できます。まあ、ちゃんとしたノートテイキングであればGood Notes5を使うんですが、パッと読み出せるところがとても良いのです。Goodnotesだとどのフォルダ、どのノート、どのページかと整理された状態で使う必要がありますが、クイックメモはそういったことは一切考える必要がありません。
Apple pencilユーザーには嬉しい機能追加です。正直あまり期待してなかったけど、これは便利。
めっちゃ使いやすい「小型デジタルノート」に進化した、というのがiPad mini 6の私の評価です。
「miniサイズ(8インチ)・レギュラーサイズ(10〜11インチ)のタブレットだとペンを持つ手で画面の大半が隠れてしまうので、ノートテイキングには不向き。12.9インチiPadでこそ真価を発揮する」というのがこれまでの私の考えでしたが、一気に覆りました。
Apple Pencil2のおかげだとしたら、11インチiPad Proも試してみたいなあ。
しかし、不向きなシチュエーションももちろんありまして。それは、
- デジタルノートをホワイトボード的に走り書きで使いたい場合
- Split Viewで画面分割してノートテイキングしたい場合(クイックメモのようにフローティングさせるのならあまり問題ない)
の2つ。これらの使い方はminiでは小さすぎ、iPad Pro 12.9インチの方が圧倒的に使いやすいです。
ちなみに、ペーパーライクフィルムはあった方が良いです。12.9インチiPad Proで使っていた「取り外し可能なペーパーライクフィルム」、これが非常に使い勝手がよく(といっても買ったすぐは微妙だと思っていたけど)、もう手放せなくなってしまいました。
久々にツルツル素っ裸のディスプレイに書き込もうとしたら、書きづらくて仕方なかった・・・。
M1 iPad Proで使っているものと同じシリーズはまだ出ていないようなので、こちらをチョイス。めっちゃ滑るので貼り付けづらかったですが、書き味は結構良いです。
紙のノートを完全に超えた日
小型デジタルノートとしての使い勝手が予想以上に良くなったiPad mini6ですが、じゃあ他社のデバイスも〜と対抗馬があるかもしれません。しかしmini6なら、YouTubeをPinP再生 or バッググラウンド再生しながら、Safariでインターネットしたり、Twitter流し読みしたり、ノートとったり、メモ取ったり、雑誌や電子書籍読んだり。クイックメモをサクッと呼び出して、気になった内容をメモ取ってもいいし、スクショを貼っておいてもいいし。なんでもできちゃう。
紙のノートの良さを超えていってしまった。
それってiPad Proでもできていたでしょ?ということは確かに言えるけど、miniサイズなので場所を選ばず、リクライニングチェアやソファに座ったままでも、電車の座席でも、トイレの中でも、どこでもそれができる点が本当に良いのです。
横持ちでステレオ再生できるようになったのもポイントが高いです。スピーカーでもYoutubeが観やすいぞ。NetflixもTiktokもなんでもござれ。
これまでだったら、YouTubeを観るとき、流石にminiの縦持ちだとちょっと小さい。でも、「横持ちにすると左右のどちらか片方からしか音声が聴こえない」というのがmini5までの欠点でしたが、これがようやくmini6で改善され、横持ちでもステレオ再生できるようになったのです。
Touch IDの不満こそあれど、それを除けば文句なしの最強タブレットになってしまったのでした。これまでminiシリーズを好きだった人たちこそ買い替えを勧めたい。
まとめ
の組み合わせにより、小型のデジタルノートの決定版として生まれ変わったと言える第6世代iPad mini。一瞬、Proもういらないのではと思ったけれど、サイズ感の違いは大きいですね。
紙のノートも、手帳サイズと大学ノートで使い分けがあるように、タブレットもそのような使い分けをすることで、グッと生活が豊かになることを実感しました。
最新iPhoneと同じA15チップが搭載されて性能も底上げされているため、数年にわたって長く使うことができそうです。これが最安で59800円(消費税込み)。お買い得です。
ちなみに:iPad miniのリリースサイクル
世代数 | モデル通称 | リリース日 | 所要月数 | SoC |
---|---|---|---|---|
第1世代 | iPad mini | 2012/11/30 | - | Apple A5 |
第2世代 | iPad mini 2 | 2013/11/12 | 12ヶ月 | Apple A7 |
第3世代 | iPad mini 3 | 2014/10/22 | 11ヶ月 | Apple A7 |
第4世代 | iPad mini 4 | 2015/9/9 | 11ヶ月 | Apple A8 |
第5世代 | iPad mini 5 | 2019/3/18 | 42ヶ月(3年半) | Apple A12 Bionic |
第6世代 | iPad mini 6 | 2021/9/24 | 30ヶ月(2年半) | Apple A15 Bionic |
mini4までは1年ごとに新製品が出ていたけれど、mini5とmini6がまたされすぎですね。mini7もいつ出てくることやら。 まあ3も中身はほぼ2と同じ(Touch IDサポートとカラバリ追加)だったので、mini2後継も2年近くかかったといえます。
iPadはリリースサイクルが一定ではないので、読みづらいです。